ランブルフィッシュ








別に色覚がおかしい訳じゃない。

一応、テニスコートのオレンジと黄色だってわかるし。

赤と緑の区別もつく。



ただ、何もかもが、明度も彩度も失って。

ピントがボケた画像みたいに。

自分とは関わりのない事象のように見えるだけー。





 そんな話しを、何故だがコイツにしてしまった。

失敗した、とすぐに思った。色々と、自分の事よりも人の事を気にやんでしまう性格故、酷く難しい顔をして考え込んでしまった。

アンタが、そんな顔することないじゃん?

別に、困ってるわけじゃないんだし。



「あ、あのね。昔、おばあちゃんと一緒に観た映画があるの」

えいっ!と掛け声が聞こえそうなくらい、急に言葉をつむぎだす。



「外国の映画なんだけどね。お兄さんが色が上手く見えない設定で。

映画全部が白黒なの。」

黙って、話す彼女の横顔を見つめる。



「でもね、お兄さんが買っている熱帯魚だけ、色が着いてるの。

それだけ、妙にくっきりしてて・・・・。

映画の内容はちっとも覚えていないんだけど、その場面だけは、ずっと残ってるの・・・。」



「リョーマくんの世界も、そんななのかなぁ・・・」



なんでアンタが泣きそうになってるの?



「・・・そんな世界も、悪くはなさそうだけど・・・」

ポツリと呟く。



「さ、さみしいよ、そんなの!」



「でも、大事な熱帯魚だけは色が着いているんでしょ?

そんなのも、いーかも」

「リョーマくんの世界で色が着いているのは、テニスボールかな」

一人で想像して、くすくすと笑う。

今泣いたカラス、って言葉知ってる?



「ハズレ」

「え!? な、なに!?」



オレの世界も、そんなに悪いものじゃないかも。

アンタの周りだけ、境界線がくっきりと見えるなんて。

そんなコトはゼッタイに言わないけど。









05.5.2     


そんな映画があったのです。

ミッキーロークとマットディロンの兄弟で。

ミッキロークがかっこよかった・・・!

(でも、映画の内容は覚えてない(オイ))



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