人生、何が起こるかわからないけど。
想像もしなかったような自分に戸惑いながら
『その日その時』を噛み締める。
「ちょ・・・!アンタが転ばないでよ?」
「だ、大丈夫だよぅ・・」
「ああ、そんなヒール、久々に履いて来るから・・」
「だって、この娘だって御着物着てるし、リョーマくんだってスーツだし・・」
「オレは、桜乃の着物も見たかった」
「だって〜〜〜」
「コイツのフォローに廻ろうと思ったんデショ?いいよ、今度着てくれれば」
「・・・うん!」
愛娘の七五三。三才になったコイツは、ホントにかわいい。
『リョーマくん、大会で忙しい時だったら来なくてもいいよ?
あとで、ちゃんと写真は送るから』
そんな事言われて、帰ってこないわけないじゃナイか。
神社内は、玉砂利やら大階段やら、ただでさえ危なっかしい2人が、慣れない洋服で歩くのには危険な要素ばかり。
階段では、娘を抱き上げて。
時々、奥サンと手を繋いで(引っ張りあげて、が正しいが)
御払いも済ませて、千歳飴を貰って、機嫌よい2人を見ているのは楽しい。
「これから、どーすんの?」
「あ、あのね、貸衣装のパックでね。この御着物の写真と、ドレスを着て写真撮ってくれるんだよ。
この子も、すごく気に入ってるの」
「・・・へー・・・」
連れて行かれた写真館。
数々の衣装が、所狭しと並んでいる。
先ほどの着物から着替えた娘が着ているのは、純白のドレス。
「ね?かわいいでしょう!?」
得意そうに言う奥サン。
いや、ホントに可愛い。
・・・しかし、コレではまるで・・・・。
「決めた」
「え?ナニを?」
「コイツは、ゼッタイ嫁にはやらない!」
04.11.14
会社の方の、実話が入ってます(笑)
お嬢さんの七五三ドレス姿を見て、「オレ、(本番までに)早く死ななきゃ」と思ったとか・・・。オイオイ。
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