魔法の王国








「あ、コレ手話だ」



あいつにせがまれて行ったディズニーランド、日本の物は初めてだ。



いつもは方向音痴で、『何処に行きたい』『何が食べたい』と言い出さないのに、ここにいるあいつは別人のようだ。



普段からは考えられないが、大体の地図が頭に入っているらしい。



でも、時々

「あれ・・?このヘンにお手洗いあったと思ったけど・・」

「あそこじゃない?」

「え・・?あ、ホントだ。・・・リョーマくん、初めて来たのに、なんでわかるの?」

「さっき、地図見たし」

「あれだけで? 〜〜〜せっかく、今日こそ案内できると思ったのに・・・」



そんなトコで悔しがるアンタは、ホントに可愛スギ。





「パレードが見たい」と言っていたアンタ。

希望通り、パレードが始まると、『赤鼻のトナカイ』の踊りを見てアンタが言った。



「しゅわ?」

「うん。あの、耳が聞こえない人とかに使うでしょう?踊りになっちゃってるから、気づかないかも知れないけど・・・」

「アンタ、そんなのわかったっけ?」

「えと、少し勉強してるんだよ・・?いろんな人と、話せるようになりたいし・・・」



なるほど。アンタにとっちゃ、英語も手話も、コミュニケーションツール、ってことか。



・・ほんと、『らしい』。



食い入るように振り付けを見つめるアンタ。

オレがココにいるの、忘れてない?

ちょっと悔しくなって、耳元で囁く。



「ねえ、後でサ、オレと桜乃だけのコミュニケーション、しない?」



だから、ちょっとくらいいじめてもいいデショ?











04.11.9    


TDLネタ。

ホントに、振り付けに手話が入ってたんです。感激しました。

歌を手話にする意味、ってのは、びみょーだと思いますが(先天性の知人は『メロディ』という概念が”わからない”って言ってました)
1人でも多くの人が楽しめる方がいいですよねー。



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