失くしそうになるくらいなら、コノママデイイ…。
そう、想っていたのに。
「?」
今、自分が置かれている状況がわからなくて、桜乃は頭をフル回転させようとする。
目の前はあの人の白いシャツで。
そして、体は自由に動いてくれそうになくて。
抱きしめられているのだ――――
と、ようやっと認識して、火がついたように体全体が熱を帯びていく。
「りょ、リョーマくん・・・・・?」
恐る恐る彼に声をかける。
「…ナニ?」
「あ、あの、その…」
―――どうして、こんな事になっているのでしょうか?
その一言を、言いよどむ。
記憶の澱を、一生懸命手繰り寄せ。
そうだ、放課後のいつもの自主練で。
いつものようにリョーマくんが現れ。
そして、いつものように転びそうになり。
そうだ、リョーマは支えてくれているだけなのだ。
「リョーマくん、あ、ありがと。もういいよ?」
真っ赤になりながら、リョーマの顔を覗き込む。
しかし、離してくれる気配などない。
「ダメ」
「え?」
「離れたら、ダメ」
「〜〜〜〜〜/////」
「・・・慣れてもらわないと…。もう、止まらないから…」
さっきよりきつく抱きしめられ、PANICに陥る。
「…ごめん」
そう言って近づいてきたあの人の吐息を、黙って受け入れるしかなかった。
…私も、愛しさが止まらない。
04.08.21
『Romanticが止まらない』カンジで(笑)なんじゃそりゃ
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