SECRET−秘密−




 かったるい昼休み−


 廊下で、自称「友達」と名乗っている奴らの雑談に、耳を傾けることなくやり過ごす。

 いつもなら、机に突っ伏して寝ている処だが、誘われるままにココにいるのは訳がある。



ああ、やってきた―――――



今日は午後の授業が移動教室といっていたから、ここを通ると思っていたんだ。

「あ、リョーマさま〜〜〜〜〜!? こんな所にいるの、珍しいですね!?」

「そーだろ? せっかく連れ出したのにさ、何言っても上の空なんだぜ〜!?」

「アンタがうるさ過ぎるんじゃないの、堀尾!?」

「なんだと〜〜!?」

「と、朋ちゃん・・・・」



やっと発した言葉に、何気ないふうに様子を伺う。

目がばちっと合い、ただでさえ不審な様子に拍車がかかる。


――ダメジャン、そんなんじゃばれちゃうよ―――?



周りには気づかれないように、そっと口の端をあげる。

さっと青くなり、俯いた。


「と、朋ちゃん! もう行かないと遅れちゃうよ!」


「ええっ!? ちょっと待ってよ、桜乃〜〜〜!?」








そう。アンタはオレのもの――――



部活後。

呼び出しておいたアンタを見つける。

まさか、人に見られてないよね・・・?



オレが背後から近づくと、ビクッと肩を震わせた。


振り返り、『オレ』と認識すると、ほっとしたような、でも、更に緊張したような、複雑な表情になる。


更に間合いを詰めると、じりりと、後ずさる。


少し怯えの色を含んだ瞳に、構わず細い手首を掴む。


「ねぇ、約束守ってる・・・?」


「も、もちろんだよ」


「ソ.ならいーけど。
  ・・・・『約束の印』消えてない・・・?」



カッとアンタが朱色に染まる。ああ、キレイだね・・・?



制服の襟元を、指で下げる。



「りょ、リョーマくんっ!!」


鎖骨の下、見えるか見えないかギリギリの処に、紅い印がついている。


「あ〜あ、消えかかってるジャン・・・・。
『消えそうになったら言うこと』って言ったでしょ・・・?」



もう、アンタは顔を上げていられない。


構わず、ソコに唇を落とし、きつく吸い上げる。


「いた・・・っ!」


そんな声にもゾクゾクして、今度は悲鳴を上げそうになった唇に、噛み付くように口付ける。


逃げに転じるカラダを閉じ込めて、口内を存分に堪能する。



苦しそうに歪んだ表情も、ミンナオレだけのモノデショ―――?




ぐったりしてきたアンタを、ようやっと解放して、息も整わないままの耳元に囁く。

「ねぇ。アンタとよく一緒にいる、あのウルサイヤツ・・・。なんていったっけ?」


「・・・え?・・・朋ちゃん・・・・?」


「そうそう、その『朋チャン』。
そいつにも言ってないんだ・・・? エライジャン」


「・・・・『約束』だから・・・。  でも、どうして・・?」


「さっき、ちょっとコナかけてみたけど、一言も『アンタに悪い』的なコト、言わなかったからさ」


「・・・・え・・・・・?」



混乱した意識のまま、ようやく何かの結論に至ったらしいアンタは、サッと顔色を変える。



「酷・・・・ッ!
 と、朋ちゃんにまで、こんなコトしてるの・・・・っ!?」


「『シテ』ないよ? 最初に、『アンタだけにする』って言ったジャン。
ちょっとそれらしい事を言ってみただけ。」


「な、なんでそんな事・・・・っ」


「・・・・アンタが約束を守ってるか、知りたかったからさ」


「りょ、リョーマくんは、私の事信じてないの・・・?」


「・・・・信じてるよ・・・?
 アンタがオレの事信じてる位ね・・・・?」





「ねぇ。アンタにご褒美アゲルよ――――――。」


耳元で囁くと、もう反応してる。


ミンナミンナオレノモノ――――――






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「わ、私リョーマくんが・・・・好きなんです・・・」


ある日、いつもの赤く染まった顔、というより、緊張で蒼ざめた竜崎が言った。



「・・・ふーん・・。で、どーする?」


「え・・・・?」


きっと、アンタは、コレで『淡い思い』に蹴りをつけようとしたんだろう。


でも、そんなのは許さない。


「だから、付き合ったりとか、しないの?」


「えっ!? わ、私がリョーマくんと!?」


「・・・・イヤなの?」


「そ、そんなことないよ! で、でもリョーマくんは・・・」


オレの噂を聞いているのだろう。


実際、高等部に進学した頃から、『来るものは拒まず』状態で、特定の彼女は作っていなかったのだから。



「・・・『約束』が守れるんなら、他のオンナの誘いはきるケド」

「『約束』・・・・?」

「ソウ。オレとアンタが『付き合ってる』のは秘密ね。・・・色々メンドくさいし。

アンタも、その方がウザクないでしょ?」

「う、うん・・・・。」


あまりの展開に、頭がついていかないらしい。


「じゃあ、『約束の証』に・・・」

制服の襟元をグぐいっと引き下げる。


「りょ、リョーマくん!!??」


抗議の声を無視して、ソコに唇を落とし、きつく吸い上げた。


竜崎の白い肌に、紅いシルシ。


「これで、『契約完了』ね。
よろしく、秘密の彼女サン」




その時のアンタは、どんな顔をしていたっけ・・・・?




+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-





程なく、ほとんど強引にアンタを手に入れて。


アンタにとって、『言えない秘密』が増えていく。


疲れて、ぐったりと眠っているアンタの肩口に、顔を埋めて言葉を紡ぐ。



今日、浮かない顔をしていたよね・・・・。


ねぇ、誰かに俺達のコトを、相談していたりしないよね・・・?




どんどん、トモダチに、言えないことが増えていくデショ・・?






思わず、『幸福』に顔が歪む。





そう、アンタの世界には、オレだけがいればイイよ――――――








2004.6.9


・・・・き、鬼畜路線・・・?ドキドキ
まぁ、所詮私なので、ぬるいですが・・・。
先日買ったCD,スガシカオさんの『秘密』を聴いて妄想していたら・・。
最初はこんなんじゃなかったハズなのに・・何故っ!!??
桜乃ちゃんの周りを、全て切ってしまいたい越前サンです。
まあ、こんな捏造もたまには・・(あ、逃げたッ!)



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