「おチビ帰国だって〜!またタカさんトコに集合だからねー!」
こちらの都合などお構い無しに、数ヶ月に一度掛かってくる『招集』の連絡。
ああ、そういえば、アイツがそんな事を言っていたなぁ、と思い出す。
「先輩達は、いつもの『同窓会』でしょ?
リョーマ様ってば、帰国するとしっかり桜乃を独り占めしちゃうから、引き裂かれる前にたっぷり桜乃を独り占めしときます!」
そう宣言して、2人で何処かの温泉に旅行に行っているはずだ。
「皆さんにもちょっと会いたいですからね」と、
旅行帰りに2人で『同窓会』に顔を出すと言っていた。
もう『オチビ』といわれる身長ではないのだけれど、かの先輩の呼び方は変わらない。
そう、自分の『彼女』が彼を『様』付けで呼ぶように。
ふと、意味を持たせたくない溜息が零れた。
「「「「かんぱーい!」」」」
「越前、日本食は久しぶりだろう!? どんどん食べてくれよ!」
「・・・ッス」
このメンバーで過ごしていた頃から、もう何年も経っているというのに、一同に会せばその時期にタイムスリップしたかのような錯覚に陥る。
「・・・毎度毎度、先輩達もヒマなんすね」
「か〜〜〜!これ聞くと『越前が帰ってきた』ってカンジがするよなぁ!」
実際、もう皆社会に出て、いつでも会える距離にいながらも会える機会は少ない。
『越前が帰ってきた』という、当人にとっては迷惑かもしれない理由付けで、こうして集まる事が出来るのだ。
「・・・ッ」
「なんだ、越前。わさびきつかったか?」
お寿司を口に入れた途端、表情を歪めたリョーマに声が掛かる。
「・・・いや、大丈夫ッス」
「・・・ああ、まだ口内炎が治っていないんだろう」
―――はあっ!!!????
決して莫迦騒ぎはせず、カウンターの端に座っていた寡黙な人物の発言に、皆が眼を見張る。
―――なに!?こいつら今日何か会話してたっけ!?
「竜崎がいないからと、不摂生な生活をするからだ」
黙々と手元の寿司を運びながら続ける。
「先輩こそ、『仕事とか仕事とか仕事とか』お忙しいようで」
気を取り直したリョーマも、反撃にでる。
「・・・全く連絡を入れないお前ほどじゃない」
「へぇ? 『なんだかプロジェクト』を美人のチーフと任されているようで?」
「・・・お前こそ、何処かの女優と危うくスキャンダルになりそうだったそうじゃないか。竜崎にフォローはないのか」
「先輩だって、疲れた顔見せるなら寝ててください、だそうですよ?」
―――誰と誰の痴話げんかなのだろう・・・。
ニュースソースについては当りがついてきたが、ありえない2人のありえない言い争い?に、周囲は何を言ってよいのかもわからない。
「だいたいな、なんで未だに『リョーマ様』なんだ」
「なんでアイツは、今でも小坂田にしか本音を言わないんですか!」
「・・・あのー・・・」
全員、魂が抜けそうになっていた処に、入口をそろりと開ける影。
「先輩・・・?」
「リョーマくん・・・?」
状況が掴めず、恐る恐る声をかける。
2人とも、『余計なコトを言った』とでも言うように固まっている。
「「何があったんですか・・・?」」
2人の声に、一同は深く溜息をついた。
「「「「いやぁ、2人とも愛されてるねぇ〜」」」」
言い出せないのは、貴方か、私か
2007.6.13
豚もおだてりゃ木に登る・・・。
chocoしゃーん、妄想見逃してくれてありがとうです(>_<)
私の中で、海堂先輩は結構お買い得物件な気がします。
きっと不器用に誠実だと思うよ!
努力を糧にしたプライドっていいよね。
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